REPORT
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まちの空き家利活用を考える

YOJO DESIGN CAMPとは(後編)
- 住民発の新たなプロジェクト –
2017年3月。有田川町で開催されたイベント。

まちにある資源を活用しアイディアを生みながら

地域内外の交流のきっかけをつくっていくという

一石二鳥以上なデザイン合宿。
町外の参加者13名とともに、まちを巡り

夜通し語り合ってうまれたプランのご紹介です。

京都、大阪、和歌山市内から13名が参加!

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京都、大阪でのプレイベントを終え、定員数を上回る13名の方に参加頂きました。会場となった空き家に集まり、まずは1人1人の自己紹介、参加した理由から話していきました。中には、全国を旅している途中で、たまたま和歌山で宿泊先のオーナーに紹介されてきたという旅人の参加もありました。

1日目は、有田川町のまちの面白いスポットを、町民メンバーがピックアップして2つのコースで回りました。それぞれのスポットでは、ランチをしたり、オーナーにお話を聞いたり、空き家を利活用した現場を見学させて頂きながら、少しずつ「有田川町」を体験してもらいました。

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まちの魅力と、課題をじぶんごととして考える

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1日目の後半からは、グループに分かれ自身が感じたことを、お互いに共有していくワークを行いました。「自分の視点」から、良いと思った点や、例えば通ったり住んだりする上であったらいいな!と思う点、そして「なぜ、いま暮らしている地域にいるのか」など、様々な視点からお互いに語っていきました。

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普段、自分たちが良いなと思っているものが、他の地域にあったり、都市部にはない「心地よさ」は、どんなところから感じることができるか、また、オシャレな場所だけではなく、普段どんなものを欲しているのか。語っていく中から出てきたキーワードの1つが、「人の繋がり」だという共通点が見つかりました。

アイディアを共有し、できることを考えてみる

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夜には、AGWメンバーが中心となり、地域の美味しいものを準備したり、もらいもんで作られた食材豊かな食卓を準備。参加者からは、歓声があがるほどの魅力的な夕食となりました。食事中には、空き家オーナーの方もお越しになって頂き、自身が大切にしていることや普段感じていることをお話し頂きました。

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そして、夜には、具体的なアイディアプランを募集しながらチームを作り、翌日の発表に向けて準備を進めていきました。パソコンに向かい考えたり、スケッチを描いたり、リラックスしながら仲を深めるチームもありました。

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そして、翌日には4つのプランが発表されました。

4つのプランと、1人の移住の決意

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4つのチームから、地域の人や地域外の方を繋ぐ、様々なユニークでワクワクするプランが提案されました。

・ふぅこきっちん(Food Community Kitchen)
・有田川サクラダファミリア
・本夜
・ARIDAGAWA timeというブランド

それぞれの発表を聞きながら、運営メンバーからも「どの案も実現していきたいね」という声が生まれ、1つに絞らずに進めていく提案が行われました。各プロジェクトがスタートしていくことで、繋がりが生まれ、新たな価値を生み出していく「シナプス」のような場にここが生まれ変わっていく。そんなイメージを参加者全体で共有していきました。

そして、最後には、驚くべき提案が生まれました。

「僕、有田川に住んでみたいと思います」

参加者の方が、この場所をリノベーションしながら住むことを提案されました。これには、参加者はもちろん、有田川町民のみなさんもびっくり。そんな驚きの提案で幕を閉じるとともに、スタートし始めた合宿となりました。

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他の参加者の皆さんからは、有田川の魅力を知ることができたという声が聞こえ、まちの参加者からは、地域のことを違う視点から教えてもらえたと感謝の気持ちが伝えられました。「空き家(余剰)」という町の課題が、新たな縁を繋ぐキッカケにもなりうる。そんな始まりからスタートし始めたYOJO DESIGN CAMP。今後もプロジェクトの行方が楽しみです!