REPORT
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人口2万7千人のまちで始まる、
住民主体のまちづくり
全米で最も住みたいまち、ポートランド市と連携したまちづくり
いま、地方では、人口減少の問題対策として、
様々な地方創生プロジェクトが生まれてるのをご存知ですか?
和歌山県有田川町。人口2万7千人のまちでも、
暮らす豊かさを見つめ直し、「住む」「暮らす」に焦点をあてる
地方創生プロジェクトがスタートしました。
その1つの特徴として、住民主体のまちづくりを学ぶため
「全米で最も住みたいまち」として注目される
ポートランド市と連携しています。
7月20日、21日にはポートランド市開発局の職員2人を招き、
有田川町でワークショップと講演会を行いました。

国が掲げる「地方創生」。各都道府県、市町村が総合戦略づくりに取り組む中、有田川町では今年6月、地方創生特別プロジェクトを発足しました。若手職員と20~40代の住民が一緒になり、自分たちの手で「暮らして楽しいまちをつくろう」と具体的な戦略づくりを進めています。

そのプロジェクトの一環として「全米で最も住みたいまち」と言われるポートランド市と連携し、「暮らして楽しいまちづくり」のためのヒントを学ぶことになりました。

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ポートランドの住民主体の
まちづくりとは

皆さんは、ポートランドというまちを知っていますか?ポートランドはアメリカ北西部、オレゴン州の中核都市です。公共交通機関が充実していて、市街地を出ると山や湖といった大自然が広がる。クリエイティブな人が多く、オーガニック食材が豊富で、環境に優しいゆるやかな生活ができる。ほかのまちにはない「ポートランド的」なライフスタイルが世界中から注目され「全米で最も住みたいまち」と言われています。現在の人口は約60万人ですが、年々移住者が増え、2030年には100万人を超えるだろうと言われています。ただ、1970年代は工業化が進み、空気が汚れ、まちが汚染され、市街地からどんどん人が流出し、現在の状況とは正反対の環境でした。

どうしてそんなポートランドが、40年の時を経て「最も住みたいまち」と言われるようになったのでしょうか?それは住民主体のまちづくりを官民一体で進めたからでした。

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ポートランドとの
連携が始まる

有田川町では、そこに着目し、住民主体のまちづくりのヒントを得ようとポートランド市と連携をしました。7月20日、21日には、連携のキックオフとして、行政と民間、住民の橋渡しの役目を果たし、都市計画を立てるポートランド市開発局(PDC)から、山崎満広さんとエイミー・ネイギーさんをお招きし、フィールドワークや講演会を行いました。

有田川町も「最も住みたいまちになる、なれる」。そう信じて、地方創生プロジェクトでは、これからのまちの未来を描いていきます。

この方たちが来てくれました
山崎満広さん
Mitsuhiro Yamazaki
ポートランド市開発局(PDC)国際事業開発オフィサー
東京出身、1995年に渡米。南ミシシッピ大学で国際関係学と経済開発を専攻し、学士、修士号を取得。建設会社、コンサルティング会社などで勤務後、2012年に同市開発局へ。 国際事業開発オフィサーとして、地元企業の技術を米国内外へ輸出開発と、ポートランドへの企業、不動産投資の誘致に携わる。
エイミー・ネイギーさん
Amy Nagy
ポートランド市開発局(PDC)事業開発コーディネーター
ポートランド生まれ、ポートランド育ち。ニューヨークのプラット・インスティチュートで都市と地域開発の修士号を、コロラド大学ボルダー校で環境学の学士を取得。事業開発コーディネーターとして、クリーンテクノロジー部門での都市再生や経済開発に携わる。