REPORT
04
有田川住民が有志で
ポートランドスタディーツアーへ!
まちの違いと、意外だった共通点とは?
有田川町地方創生プロジェクトでは、
役場のプロジェクトリーダー高垣さんと住民有志で8月、
ポートランドへ6日間のスタディツアーに行きました。
ポートランド市開発局やまちづくりを手がける設計事務所、
農園にワイナリー、リノベーション事例など
まちづくりのキーになる場所を見学。
ここでは、参加者それぞれの印象に残ったことやエリア、
有田川町に活かせると感じたことを紹介します。

株式会社オレンジライフ
上野山栄作さん

古き良き時代のアメリカと、現在のモノとが詰まった楽しいまちでした。木製の自転車工場や、紙すきと印刷工場、起業したい人が気軽にチャレンジできるトレイラーを集めたマーケットなど、有田川町で取り入れられそうな事例をたくさん発見。

ポートランド市の中でも、パール地区やチャイナタウンなどそれぞれの場所に特徴があり、その地区の中で生産、消費が成り立っていました。地産地消のように近くで消費して経済が循環する。有田川町も金屋、吉備、清水とそれぞれのエリアの中で楽しむことを考えればいいのではと感じました。

和歌山信愛高校
上野山波粋さん

とにかくポートランドの人が良かったです。自転車で街中を走っていたら、いつも車を止めて自転車を優先してくれました。どこに行ってもフレンドリーに接してくれました!

ナイキの本社では日本人デザイナーの臼井さんに出会いました。「色んな国の人と一緒に働くので、世界で起きることが他人事でなくなる」と言われていたのが印象的でした。「ポートランドの暮らしは山や湖の自然に囲まれていて、都会での生活よりも幸せ」ともおっしゃられていました。日本にはないおもしろいモノがたくさん詰まっていて刺激的な街でした!

株式会社地域創生
三角治さん

とにかく印象的だったのは、ポートランド市開発局(PDC)の存在の大きさです。普通、役所は規制をかけたり、許認可などわずらわしくて、自由な経済活動や開発に待ったをかけがち。でも、PDCは違う。逆にPDCが関わることで街の再生が加速し、価値が上がり、民間活動が向上する。お役所の鏡です。荒廃した地域に花を咲かせる『花咲かじいさん』のような存在でした。

ポートランドは有田川町に比べれば大都会だし、人口規模や経済規模も大きい。でも、そのまちづくりの手法は大いに活かせるものだと思います。ブルワリーやレストランがなぜ多いのか、リノベーションがどれだけ人の心の琴線に触れ、郷愁と共に新たなスタートとなるのか、それにより地域がどれほど変わるのか、守られている古き良き文化はどれだけ人の心を豊かにするのか。そう考えたとき、有田川町にはその素材と素地が実は整っていることにも改めて気づかされました。

有田川町企画財政課
高垣昌弥さん

McMenamisのオーナー、マクメナミンズ兄弟が手がけたケネディスクールが印象に残っています。廃校になった小学校をレストランやバー、シアター、ロッジにリノベーションしていてどこもセンスが良かったです。ポートランドにはホテルなどメナミンズ兄弟がつくった施設がたくさんありました。

ポイントは、娯楽とアートと食をつなげたまちづくりがされていること。ポートランドは住民主体のまちづくりが浸透しており、全てに通じて環境と人に優しいまちでした。

有田川に住む皆さんが感じた、まちの違いと共通点。また、そこに住む人達の暮らし方や空気感を感じてこられたようです。

「田舎だからなにもない?」「誰がまちの未来をつくっている?」ふと、当たり前に感じていることも、こういったスタディーツアーから少し違った視点に気付くことができたように思います。当日は、参加者からの質問も飛び交いました。お互いに刺激を共有できる仲間がいることは、素敵ですね!にぎやかな報告会の様子はこちらより!(当日は高垣さんの誕生日でした)8月20日に有田川町徳田のハーブプラスカフェでツアー報告会を行いました。