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ポートランドを訪れました。
現地での『POP UP Aridagawa』の活動や
スタディツアーを通じて感じたポートランドは
これからの彼らの活動や有田川のまちづくりに
どう活きていくのか率直な感想と、現在に
ついて伺いました。
『住んで楽しいまちってのが分かった気がする』
有田川町で長年続く家具屋を引継ぎ、自身で経営を行う『丸十家具』にて、オーナーでもあり、まちづくりチームAGWのリーダーでもある森本さんにお話を伺った最初の一言。これまで、有田川町では「暮らして楽しいまちは、みんなが住みたいまちになる」というキーワードを掲げながら、様々なプロジェクトを住民の皆さんと行ってきました。その中で、度々出会うこのワードに、納得感はあったものの実態がわからずにモヤモヤしていたこともあったとのこと。
そんな中、今回のポートランド滞在の中で感じたのは、こんなことだったそうです。「ここに住みたいなという感覚を持ったんです。都会なんだけど田舎感があって、それは東京じゃなくって、近くでいうと大阪の外れのような感じ。街中にいるのに、バリバリ働いている人がいなくて、会う人たちはハローって声かけてくれるし、歩行者は優先されるし、クラクションなんてならない。せかせかしていないのが、とても心地よかったんだと思います」と、そのときの印象を教えてくれました。
それぞれのお店の接客のレベルの高さ、意識の違い![](http://aridagawa2040.org/wp-content/uploads/2017/12/3.jpg)
そんな中、商売をする身として一番驚いたのは「接客レベル」だったそうです。お店に入ったら、スタッフが気軽に「今日の調子はどう?」「天気いいね今日は!」と気軽に話しかけてくれるそう。そして、一人で訪れたナイキショプでの出来事が印象深かったとのこと。「日本では売切れで全然買えないシューズを探しにいったんです。するとスタッフが声かけてくれて探してたんですがサイズがなくって。でも、そこから『どこに泊まってる?いつ帰るの?絶対どうにかするよ!』という思いで接客をしてくれたんです。何としても君にこの靴を届けるんだ!という感じが伝わってきて。そんなホスピタリティって久しぶりに体感しました」。他にも滞在中に訪れたお店でも、同じようなことを感じていたところ、「ポートランドでホールスタッフは花形の仕事、給与もいいんだ」と教えてもらったとのこと。こういった「人の良さ」がまた、まちの魅力を高めているのかもしれないと感じたそうです。
住んでる人が楽しそうだったら、住みたくなる。
「ポートランドのまちづくりと出会って、学んだり体験したりしながら、色々と学んできました。一方で、ポートランドのことを伝える雑誌やテレビなどは「デザインを取り入れる」ことに意識がいってるように思っていたし、まちづくりの活動をしていても『有田川がポートランドみたいになるんかい?』と言われた。で、今回実際に訪問してみて、自分たちが取り入れたいことが分かった気がしました。有田川にある原風景を活かしながら、真似るのではなく、オリジナルを考えていくことなんだなって」。
そんな体験の中で、インスピレーションを受けたのが「ファーマーズマーケット」だそうで、なんと戻ってすぐに10月から「サンデーマーケット」を自身の店舗で始められたそう。「こんなのが歩いていける範囲にあったら、毎日行くって思った!1週間で食べる野菜を買い、色んな人とおしゃべりして過ごす休日がいい。それに、みんな食べることへの意識が高くって、巡っているだけで楽しめるのもよかった。なので、自分たちでも周りの人に声かけて始めたんですよ」。
ここで、お金を使うことがカッコいい。になる。
そして、最後に伝えてくれたのが「ポートランダーの考え方」でした。
先程のファーマーズマーケットを始め、多くのお店が地域で育てたものを取扱っていて、それを購入する人たちがいたこと。「メイドインポートランドのものを買おうという意識が強い。地元にお金を落とすという感覚を、まだまだ商売する側しかもてていない。「ここでお金を使うことがカッコいい!」と思ってもらえるような店、接客、商品を提供していかないといけないし、まだまだやれそうなことがたくさん見つかりました」と話してくれました。
最後に、経営者である森本さんはお店を休んで行くことに迷いもあったのですが、帰ってきてからは「ポートランドは、いくら雑誌やwebで見ても情報だけでは体感できない。行くべき場所。勉強というよりは、遊びに行ってみるといい!また行きたいと思っています!」と、オススメしてくれるようになっていました。これもまた、ポートランドがもつ魅力なのかも知れませんね。