「AGW」というまちづくりチーム。
「AGW」とは「Keep Aridagawa Weird」の略なのだそう。
直訳すると「有田川をへんてこなままにする」…?
一体どういう意味なのでしょうか。
外から見ると謎が多い「AGW」というチームとその活動について
リーダーの森本さんにお話を伺いました。
AGWリーダー。ふだんは有田川町でインテリアショップ「丸十家具」を営む。
はじまりは「変人会」だった
―さっそくですが、AGWって一体どんなチームなんですか?
「地方創生」という言葉が各地で使われるようになったころ、有田川町でも何か対策をしないと人口はどんどん減っていき、地域経済も縮小し、役場の機能なども維持できなくなってしまうかも…という話を仲間内でしていたんです。そこに、もともと有田川町で撮影された映画『ねこにみかん』のときから繋がりがあった有井さんから、ポートランドとタッグを組んでみてはどうかという話がやってきて。自然が豊かで、一次産業が発達していて、おもしろい人がいる、という有田川とポートランドとの共通点を生かして、ポートランド流のまちづくりを勉強していこうという流れになりました。まずは、実際にまちで暮らしている人たちの中から、プロジェクトに深く携わってくれる人を探そうということで、数人が集められた…それが「AGW」のスタートです。
―森本さんもそのときからAGWに?
そうですね。僕以外に、みかん農家の小澤さん、滋賀から移住してきた高校教師の立岡さんの3人がいきなり居酒屋に呼び出されて。 3人とも初対面だったんですけどね(笑)。 そこで有井さんに「有田川町、放っといたら危ないぞ!」ていうプレゼンを受けたんです。居酒屋でね。で、気づいたら僕がリーダーになっていて、「変人会」という名前で10人ほどで定期的に集まるようになったんですよ。
―AGWはもともと「変人会」だったんですね(笑)
そうです(笑)。おもろいことをやるちょっと変わった人という意味と、有田川をより良く変えようとしている人、という意味が込められていました。でも、活動している中でポートランドから講師として来られたエイミーさんに、「女性が暮らしたいまちを作ろうという話をしているのに、なんでメンバーに女性がいないの?」って言われて。確かにそうだなと、女性メンバーを募るためにイベントを開催することになりました。そのときにこの「変人会」という名前ではさすがに入りにくそうだったので「AGW(Keep Aridagawa Weird)」と呼ぶようになったんです。
※編集部注 ポートランドのまちづくりのスローガンに「Keep Portland Wierd」があります。「へんてこポートランド万歳!」、ユニークさを許容し合おうというポートランドらしい言葉ですね。
―確かに「変人会」よりも「AGW」のほうが入りやすいかも…。実際に女性メンバーは増えましたか?
増えましたね。そのとき開催した「有田川女子会」というイベントには、100人も女性が来てくれました。そこから実際に継続して活動していくというところで15〜20人くらいがメンバーとして残って、「UP!GIRLS」という名前で活動が始まりました。これは「AGW」という大枠の中に所属している一つの団体という位置付けで。楠部睦美さんが主となって、有田川を紹介するフリーペーパーを作成したり、今も活動していますね。
〈その2へ続きます〉